断易といえば卦を出すまでに道具を使うわけですが、その道具には何種類かあります。
基本的にはどれでも良いですし、最終的には上達すれば一切の道具なしで断易の判断をできるようになっていくこともできます。
断易で最もよく使われる道具としては古銭があります。
このようなものが古銭です。
古銭なので外側が丸い形、内側に四角の穴が開いているものが一般的です。
丸い形で天、四角い穴で地を示し、人がその古銭を振ることで天地人がつながるという意味になります。
これによって未来のあらゆることを占えるという仕組みになっています。
ただし少しだけ的中率は落ちる(卦を取るところで正確なコインの枚数が出ないこともあるという意味)のですが、10円玉などで代用することもできます。
ですので手元に10円玉などが3枚あれば古銭は必須というほどでもありません。
私も外出時などに急に断易をするときには古銭でなく何度も10円玉を使って未来を調べています。
次によく使われる断易の道具はサイコロとなるでしょう。
サイコロは八面になっていて、3つ用意します。
そこにそれぞれ八卦が書かれていて、3つを振るという形で卦を出します。
原理はまったく古銭と同じです。
神蓍というのはサイコロと6つに内部が区切られた箱を使うというシステムです。
日本の断易界では超有名な九鬼盛隆先生が開発されたわけで、中国や台湾にはない日本独自の断易の道具となります。
通常の断易を古銭で使うと6度コインを振ることになります。
テーマである調べたいことを思い1回3枚のコインを振り、また手に取って3枚のコインを振りというのを繰り返すのですが、コインを振る時間は合計すると長くなり、その間に別のことが頭に出てきたりして卦が正確に出ないという弊害もなくはありません。
これを解消しようとしたのが九鬼先生の神蓍となります。
日本の断易の占い師ではかなりの割合でこの神蓍が使われているといって良いかと思いますが、本場中国や台湾とは大陸を渡るうちに道具が変遷したということかもしれません。
一般の人には占い師としてのイメージが強いのがこの筮竹です。
しかし断易の易者としては実は主流でなく、おそらく古銭を使うタイプの人のほうが多いのかもしれません。
私も古銭が主流のタイプで、筮竹はほぼ使いません。
筮竹は現代ではほぼ竹製のものがほとんどで、本数は50本あります。
あとは断易カードというものも使う人もごくごく少数かもしれませんが、あります。
簡単にいえば64卦あり、何か調べたいものが出てくるとそのカードを引いて卦を出すというものです。
タロットのような感じもしますが、個人的には古代スタイルを踏襲するということで私は古銭をよく使います。
断易カードも市販では入手しにくいというのもあまり採用されない理由なのかもしれません。
神蓍ともまた違う断易の道具として円蓍というものもあります。
これも日本由来のもので、中国や台湾では私は見たことはありません。
円卓のようなものに18個の碁石を入れて、一度振ることで一気に卦を出してしまうという道具です。
この円蓍も卦を正確に出すこともできるので、まだ使用している断易の占い師は少ないですが、今後は増えていくのかもしれないと思っています。
断易というのは初心者ほど道具が気になりますが、達人ともなると道具も使わないで未来を当てていきます。
調べたいものが出てきたときに周囲にある数字、文字、音から卦を出すというような方法となります。
他にも調べたいものがでてきたときのその場の周囲の環境から卦を割り出すというような方法もあります。
断易のプロの人だと中国や台湾に行く人も多いのではないでしょうか?
かくゆう私も本場中国の断易の実践者ですので、中国の断易事情にも多少精通しています。
中国や台湾の断易の道具といえばまず古銭がほぼすべてを占めると考えてもらって良いかと思います。
乾隆通寳とか康煕通寳あたりがよく使われている古銭になります。
断易というのは他にも道具としてはいろいろと可能性があると考えています。
たとえば断易ではコインの枚数を0枚、1枚、2枚、3枚と裏が何枚出るのかということで未来を割り出します。
つまりこの数字を書いたサイコロを任意に振ってそれで卦を出すというのもありえると思います。
断易というのは私がやってきた中で強く感じるのは人間の潜在意識を読んでいるということ、そしてその調べたいイベントにかかわる他の人の潜在意識の傾向や動きも読んでいることだと思います。
そして出る卦というのはそのまま何もしなければその卦の結果の通りになっていくよということであり、それを変更したり編集すれば即座に卦も変わるということになります。
断易の本質というのは潜在意識を読むということであり、潜在意識に未来の種がすでにあるということではないでしょうか?
また面白いことに断易で未来のどの地点あたりまでの時間帯が出てくるのかということですが、卦の感じではどうも1年半先あたりからぎりぎり2年先あたりまでは出てくる感じがしています。
つまり人間の潜在意識というのは未来の2年先あたりまでは現在のこの瞬間にすでに傾向として用意しているのだろうということもわかります。
断易といえば卦を立てることがある意味ですべてです。
仮に的中率が100%の判断力を持つにしても、コインの枚数が潜在意識にしっかりと根差したものでなければ判断は間違いとなります。
そういう意味で断易の道具となると自分が最もしっくりくるといいますか、未来の情報を取ってくれそうに感じるものがベストだといって良いかと思います。
ちなみに私は古銭派なのですが、その理由はずっと師の古銭を振っていく中で教えてもらってきた環境があり、潜在的に断易は古銭というような先入観があるのかもしれません。
このように人から見ればどうでも良さそうなことでも、要は自分が一番信頼できそうな道具を選択するというのがベストだと思います。
・複数の道具を試して一番未来の情報を取る道具を検証してみる
・尊敬する断易の師や知り合いが使っている道具を真似する
・感覚的に未来の情報を最も取ってくれるという道具をいろいろ試す
というような方法で自分に一番合ったものをずっと使うようにしていきましょう。